2014年11月27日木曜日

The Junior Mance Trio - Junior

ジュニア・マンスといえばこのアルバムというくらい有名な1枚。Wikipedia(日本語のはないようです)によると現在もご存命で86歳とのこと。ジュニア・マンスというとスウィングとかソウルフルとかブルージーいう枕詞がかならずついているのですが、最近の良い意味での枯れた味わい深い演奏の対極にあり、イメージそのままなのがこのアルバムです。初めて聴いた時に「これがジャズなんだなー」と思わせるピアノは流石です。かと言ってうるさく響くこともなく、晩秋の午後のピッタリのアルバムです。1曲目《A Smooth One》の冒頭からカッコイイ節回しにやられます。マンス先生をいままで熱心に聴いていなくてすみません…という気持ちになります。《Love for Sale》は軽妙洒脱、マンスオリジナルの《Jubilation》、《Blues for Beverlee》はスイング感が心地よく、《Junior's Tune》のブルージー感はいかしています。ディジー・ガレスピーの《Birk's Works》ではややかしこまったピアノで、これもなかなか聴き応えあります。そういえば、最近買い直した24bitリマスター盤には54年録音の《Hot Springs》と《111 East Ontario》が入っていました。




2014年11月20日木曜日

Dorothy Ashby and Frank Wess - In a Minor Groove

ジャズ・ハープのパイオニア、ドロシー・アシュビーから1枚。彼女はフルートのフランク・ウェスとの共演作が多く、アルバムを聴いただけではフルートが目立つためハープの存在を忘れがちになりますが、モーツァルトの協奏曲にもあるように、フルートとハープの編成はとても相性が良く、心地良く響きます。ただ優雅なロココ調ではなく、ブルージーですが…。1958年作のこのアルバムはプレスティッジ・レーベルらしいかっこよいジャケ写ですが、ドロシーのハープとウェスのフルートはスインギーとは言いながらもどこかのんびりとしたところがあり、午後の診察室には最適です。ちょっとしたカフェの気分…かな?曲も大橋巨泉の意訳?誤訳で有名な《You'd be so nice to come home to》や加トちゃんの「ちょっとだけよ、あんたも好きねぇ」で流れるラテンの名曲(曲調は違いますよ!)《Taboo》、《Bohemia after dark》などどこかで聴いたことのある名曲ばかりで構成されていて、ドロシー・アシュビー入門には最適だと思います。