2015年4月20日月曜日

42歳とノエル・ギャラガー

4月は私の誕生月でもあり、日本医学放射線学会総会に参加しているうちにひとつ歳をとってしまいました。30歳は医師としてこれから成長していく時期で、いろいろなことを吸収している時期でもあったため、ひとつずつ大人への階段を登るような気持ちがあったのですが…40歳は日々の生活に上手く溶けこむように自然であり、今年は誕生日も忘れそうな感じで過ぎていきました。

昨年は開業したばかりでいろいろと無駄に悩んだり、考えたりすることがあったのですが、いまは少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります。いままでのスキルと知識を活かして、地に足をついた医療を提供できるようになることが今年の目標です。

誕生日の音楽について何か語ろうかと思ったりしたのですが…先週はノエル・ギャラガーの武道館ライブに行って、久しぶりにノエル・ギャラガー・ハイ・フライング・バーズやオアシスを聴いていました。ノエル・ギャラガーのライブは一昨年のフジロック以来なのですが、今年は新作とともに来日したため曲目は新しいアルバム中心でした。でもノエル兄というとやっぱりオアシスの神曲(もはやイギリス国家との声も?)である"Don't Look Back In Anger"は外せません。お決まりの大合唱を聴くといつも涙がでます。今年はフジロックにも参加するようなので、是非リアム(最近ノエルのライブに来ていたらしいので…)とオアシス再結成をしてもらいたいな…と思っています。


2015年4月14日火曜日

Robert Stewart - Beautiful Love

1曲目の《Speak Low》からテナー・サックスの野太いブロウを聴かせてくれる1枚。(良い意味での)むせぶような黒さを感じさせるアルバムで、2曲目《Beautiful Love》から7曲目《Canadian Sunset》まで全部スローなバラードなため、"Beautiful Love Bullard"というタイトルで再発しているようです(ジャケ写もジャズっぽいものに変わっています)。《Speak Low》はこの演奏が好きで事あるごとに聴いていたため、自分の中の演奏基準になっているほどです。

ロバート・ステュアートは1990年〜2000年台にかけて何枚かリーダー作を作っているのですが、2004年を境にぱったりとアルバム作成をしておらず、公式サイトとおぼしきWebサイトも更新されている気配がありません。iTunesでリーダー作をほぼ購入できるのですが、演奏スタイルがデビュー当時(このアルバムは2作目)のブロウで男気あふれるサックスから徐々にスピリチュアルな感じになって、最後にはメロウな演奏になっており(これはこれで良い演奏なのですが)、目指していたものがどこなのかわからない感じがします。

Wikipedia日本版には(当然?)彼の項目はなく、名前検索だけでは現状がわからず消息不明にでもなっているのかと思ったのですが...詳細にGoogle検索してみると昨年のジャズ・ライブの案内がみつかったので、アメリカで(ライブを中心に)活躍されているのではないでしょうか?ジャズの世界は長らくアルバムに恵まれなくても、突然復活することもしばしばあるので、気長に待つことにします。

ジャケットの写真は誰だかわからないのですが、ロバート・ステュアートではありません。


2015年4月10日金曜日

Guiomar Novaes - Beethoven: Piano Concerto No.5 in E-flat major, op.73 "Emperor"

最近しなくなった事というと、映画を観ること、交響曲や管弦楽曲などをゆっくり聴かなくなったこと…でしょうか。学生の頃は映画を観る機会が多かったのですが、救命やオンコールで呼ばれる日々を過ごすようになった頃から減ってます。交響曲や管弦楽曲などの大音響の曲は…(名曲喫茶ではないので)待合室のBGMとしてもなかなか流すこともできないので、必然的に減っているのでしょうか。

そんな中、久しぶりにベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番を聴いて懐かしい思い出が蘇ったので書こうと思います。この曲は《皇帝》という名前がついており、冒頭が非常に壮麗で男性的な感じがあり《皇帝》らしい演奏が好まれているようなのですが…私がイメージするこの曲は第2楽章なので、むしろ優しく包み込まれるような暖かみのある演奏が好きなのです。壮麗で華美な両端楽章にはさまれた愛らしい第2楽章が好きなのは、「ピクニック at ハンギングロック」(オーストラリア時代のピーター・ウィアー作品!)という映画による影響が大きく、この曲を聴くたびにボッティチェリの天使と形容されたミランダのスローモーションを思い出してしまいます。

そんな刷り込みで聴く《皇帝》は思い入れたっぷりに第2楽章を演奏してくれるものが好きで、このギオマール・ノヴァエスの演奏を始め、カラヤン&ワイセンベルク(ライブ)、マルグリット・ロン、ソロモンなどなどオールドタイマーな選択肢になってしまいます。ギオマール・ノヴァエスはブラジルのピアニストで、少し癖がある(ようなのですが)非常に優しいピアノの音色で美しい旋律を際立たせてくれます。アメリカの廉価盤レーベル(Vox box)の古い録音ですが、とても聴きやすいです。

2015年4月6日月曜日

4月になりました - Xavier Davis Trio

4月になりました。クリニックも開院してから無事に1周年を迎えることが出来ました。これもひとえに、受診してくれた患者さんや優しく支えてくれた家族・スタッフのおかげです。これからもゆっくりとひとりひとりのために丁寧な診察を心がけていきたいと思っています。また今月から美容外来(私は美容が全くわからないので妻が診察します)ができたので、これまで以上に“皮ふケア”ができるクリニックになることを期待しています。

4月のBGMは午前・午後ともにジャズにしました。先日、ほぼ1年ぶりにに受診された患者さんに「ここはいつもジャズが流れていていいですね」と言われたときはとても嬉しく思いました。これからも心地よい音楽の流れる待合室になるようにしたいと思います。クラシック(R&B、ボサ・ノヴァなども)などを集中的に流すことも考えています。

Xavier Davis(ザヴィエル・デイヴィス)は1971年ミシガン州生まれのピアニスト。サイドマンとしてニコラス・ペイトンやマーク・ターナーをはじめ、デヴィッド・ワイスなどの作品に名を連ねていますが、リーダー作はこの《Innocence of Youth》(2002年録音)だけのようです。ザヴィエル・デイヴィスがマルグリュー・ミラーにそっくりな演奏スタイルなのは、彼を見出したのがマルグリューであり、マルグリューをアイドルとして慕っているからとも言われます。このアルバムのイントロである"The Message"の流麗なピアノ・ソロだけでも彼の素晴らしさがわかります。3曲目の"Milk Wit A Koolaid Chaser "や"Milestones"などは完全にマルグリュー・ミラーであり、完コピなのかと思うほどです。"The Day Will Come"や"Innocence of Youth"などでは彼ならではのリリカルで知的なピアノを堪能することができます。