2015年2月25日水曜日

ホームページのリニューアル(その1)とステファン・アスケナーゼ

かれこれ2週間以上、ホームページ(Webサイト)と格闘しています。発端はGoogleのウェブマスターツールで「モバイルユーザビリティ上で重大な問題が検出されました」と指摘されたからです。ホームページをスマホ対応にしていなかったこともあるのですが、現行のホームページ・ビルダーだとスマホサイトを自由にいじれないこともあって、一念発起して新たに作ることにしました、と作り始めて...いろいろな障害?にぶち当たって今日まで来ています。

第一に自分でホームページ(Webサイト)をつくること...学会発表のスライドを作ることが好きならば、簡単に作ることのできるホームページ・ビルダーがあるので大丈夫...なはず。

次にPCが得意...NECのPCシリーズやMSX(懐かしい)から始まって、Windows3.1、Mac Classicの頃からパソコンに慣れ親しんできた...といっても知らないことが多い。

最後に一番大事なのは美的センス...こればかりはいまさら磨くことも難しい大きな壁です。

こうした難関を乗り越え、なんとか新しいサイトを作り上げたのですが...そこにはぬりかべのごとく大きな壁が立ちふさがっていたのです。(つづく)

2月はステファン・アスケナーゼの1950年代にグラモフォンに録音したショパン作品をBGMにしています。いまも現役の名ピアニスト兼指揮者のウラディーミル・アシュケナージと似た名前で打ち間違いと思われそうですが、アスケナーゼです。マルタ・アルゲリッチや内田光子といった現代でも最高峰といわれるピアニストたちのお師匠さんです。録音の古さも相まってか、暖かく、緩やかな音色でとても心地よいです。ホームページで煮詰まった頭もかなりすっきり...します。


2015年2月20日金曜日

Steve Czarnecki Trio - When I Dream of You

スティーブ・クザルネッキがリーダーのピアノ・トリオ(1993年録音)。ジャケ写は写真家エリオット・アーウィットの代表作である、”California 1955"という写真を使用している。この写真を使ったアルバムというとエディ・リーダー率いる(一発屋)フェアグラウンド・アトラクションの"The First of a Million Kisse(邦題ファースト・キッス)"が有名。そのジャケットに比べるとチープな作りですが、演奏は奇を衒うことなくストレートなまごうかたなきピアノ・トリオです。

ジミー・スミスの《Bashin'》から始まり、アルバムタイトルにある《When I Dream of You》など3曲のオリジナルを含めた合計11曲から構成されており、どの曲もスローからミディアムテンポで安心して聴いていられるところがよいです。ビル・エヴァンスに捧げると書かれた《Who Can I Turn To ?》ではスティーブ・クザルネッキの美しいピアノ・ソロを聴かせてくれます。クリニックのBGMには(良い意味で)最適なアルバムです。

《I've Got You Under My Skin》では女性ヴォーカル(Baomi Butts-Bhanji)が入っているのですが、裏面には記載がなく初めて聴いた時にびっくりしました。


2015年2月18日水曜日

Karen Souza - Essentials 2

今日も冷たい雨が降っています。午前は開店休業中といえるほどのんびりしてました…。午後は予約が入っているので少しは仕事した感じになるのでしょうか?

こんな冷たい雨の午後はアルゼンチンの歌姫カレン・ソウサの新しいアルバムをかけています。2011年に"Essentials"というロックやポップスの曲をカヴァーしたアルバムでブレイクしており、その2作目がこのアルバムです。彼女はつい先日ブルーノート東京でライヴしていたのですが、残念なことに行けませんでした(日程を忘れていただけ…)。40歳を過ぎた耳には1曲目のブルース・ホーンズビー《The Way It Is》の旋律を聴いただけで胸が熱くなるのに、おまけにアンニュイなハスキーボイスでジャジーに歌われるとイチコロです。3曲目のモリッシー、9曲目のINXSなど懐かしい曲ばかりでアレンジともども気に入っています。


国内盤だけリック・アストリーの《Never Gonna Give You Up》が入っているのを知らずに輸入盤を購入してしまったが心残り…iTunesで買う…か思案中です。



2015年2月17日火曜日

Kenny Werner Trio - A Delicate Balance

今朝の雪は勢いがあって、積もるのかと思っていたらすぐに小雨になりました。でもすごく寒くて、春になるまでまだまだ時間がかかりそうです。こんな寒い日のBGMはケニー・ワーナーの1997年録音を選択。ドラムがジャック・ディジョネット、ベースがデイブ・ホランドととても贅沢な組み合わせ。ケニー・ワーナーはアメリカのピアニスト兼作曲家で、学生時代にクラシックからジャズに転向しています(ハービー・ハンコックもクラシックからジャズに転向ですが...)。このピアニストが人気あるのかは別として、よく言われているのは「こねくりすぎ」「いじりすぎ」。彼の奏でる旋律は美しく叙情的なのですが、直感的というより頭でっかちで神経質(偏屈?)のような印象をあたえるところはあります。とくにオリジナル曲などはよく聴きこまないと良さがわかりにくいかもしれないです。ケニー・ワーナーは個人的に好きなピアニストで、ふとした時に聴きたくなるひとりなのです。寒い雨の日には、こんな叙情的でちょっとだけ内向的で偏屈なピアノが合っています。ナット・アダレイの"Work Song"を以外は全てケニー・ワーナーオリジナル曲です。

2015年2月14日土曜日

ブログを新しくしました

Webサイトを新しくするため、いままで使用していたJimdoのブログからBloggerに変更することになりました。サイトの移管作業が終わるまで少しご迷惑おかけするかもしれません。

昔のブログも少しずつ取り込む予定ですが、時間がかかりそうなのでゆっくりとしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

2015年2月9日月曜日

Jorge Bolet - Live Liszt, Franck, Mendelssohn

2月はロマン派と言われる作曲家の音楽を巨匠・名匠の演奏で…という趣旨でアルバムを選んでいます。ホルヘ・ボレットはキューバ出身のピアニストで、フィラデルフィアのカーティス音楽院でゴドフスキー、サパートンに師事、さらにリストの弟子であるローゼンタールからも指導を受けており、リスト直系の孫弟子であることも知られています。これはボレットの死後発売された「未発表ライブ集」でメンデルスゾーン《前奏曲とフーガ》第1曲、フランク《前奏曲。コラールとフーガ》、リスト《ノルマの回想》の3曲です。フランクとリストは演奏時間が20分(メンデルスゾーンでも10分)を要する難曲ばかりです。

ボレットはGHQの一員として日本に滞在したことがあるそうですが、本職のピアノでは1970年代に入るまで無視されていた「忘れられていた天才」だったそうです。私がクラシックを聴き始めた80年代はすでにLONDON(DECCA)レーベルから次々と新譜が発売される人気ピアニストでしたが、そんな彼も長い不遇な時代があったなど全く知りませんでした。

メンデルスゾーン《前奏曲とフーガ》第1曲は遠い昔に聴いた時はつまらないと感じたのですが、この演奏ではバッハを模した厳格な曲を叙情的にスッキリと演奏していてとてもよい曲だと再確認させてくれました。フランクも堅苦しさがないとてもロマンティックな演奏で素敵です。リストはベッリーニのオペラ《ノルマ》の独唱、合唱を主題としたヴィルトゥオーソな曲ですが、ボレットは技巧を感じさせない流礼な演奏です。たまにはこんなロマンティックな曲がBGMなのもいいですね。

これは神保町の古本市で500円で購入しました。


2015年2月3日火曜日

Mulgrew Miller - Trio Transition

2月からホームページ上に「本日のBGM」を載せることにしました。だいたいこんな感じですというアバウトなものですが、お役に立てればと思います。
いままでクラシックだとバッハからモーツァルトまでが多かったのですが、今月はロマン派〜国民楽派まで少し濃厚な音楽を流してます。ジャズはピアノ・トリオ中心からサックスなどを含めた編成も少しずつ増やしています。火曜日午後はマルグリュー・ミラーがサイドマンとして演奏しているアルバムとこの日本で録音された「Trio Transition」です。マルグリュー・ミラーは私が敬愛するピアニスト…残念ながら一昨年にまだまだこれからという時期で鬼籍に入ってしまいましたが…その彼がウディ・ショウ、トニー・ウィリアムスやアート・ブレイキーのバンドで頭角を現して、満を持してリーダー作を世に問うた、日本公演時に録音された1987年録音のアルバム。

発売当時はベースのレジー・コールマン、ドラムのフレドリック・ウェイツが三位一体になり対等に演奏しているという趣旨だと思ったのですが、いま聴いてみるとマルグリュー・ミラーのピアノが抜きん出ていて、マルグリュー・ミラーのリーダー作のようです。デビュー当時はマッコイ・タイナー風とも言われた彼の流麗かつ力強いピアノは、紛れも無い彼独特のものであり、このアルバムでは勢いというか若々しさも感じさせます。これに似た演奏というと…いまは大林武司、ザヴィアー・デイヴィス(最近リーダー作がないですね)などでしょうか。最近は彼らのようなマルグリュー・ミラー系?とも言えるピアニストがちらほら見かけるようになっているので、これからは彼らの演奏が楽しんでいこうと思います。