2014年12月26日金曜日

今年1年ありがとうございました

4月1日に開院してから早いもので、2014年が終わろうとしています。クリニックでは明日(27日)までありますが、今日の時点でカルテ番号は1210まで到達しました。開院当初に「年末までに1000番までいけるかな?」という漠然とした目標を良い意味で上回ることができました。これはひとえに受診してくださった患者さまの皆さまのお陰です。本当にありがとうございました。

医療法人という大きなバックはありますが、クリニックの場所選び、施工業者、機器搬入、電子カルテ選び、スタッフ選考、保健所・厚生局への手続き、Webサイト(ホームページ)運営…など周囲のサポートを受けつつ可能な限り自分でやらせていただきました。なかなか上手くいかずつらい時期もありましたが、紆余曲折しながらここまできたことがとても感慨深いです。

ホームページは色々頑張って作っているのですがやはり限界があって…シンプルで読みやすいこととリアルタイムに情報発信できるようにだけ心がけるようにしています。サイトアクセスについてはGoogleアナリティクスやウェブマスターを使ってリアルタイムに検索ワードやアクセスポイントなどを把握し、アドワーズ広告に活かすようにしている…つもりです。サイトの内容についてはGoogleさんにいろいろとアドバイスをいただき、適正なサイトになるように日々更新しています。やっぱり自分で運営してみないとわからないことも多く、いろいろ勉強になることが多く楽しいです。アドワーズ広告は…正直役立っているのかまだわからない部分があり、来年の課題にしたいです。

またリアルタイムな情報発信には(活用されているひとは少ないのですが)Google+、Facebook、LINE@も使用していますので、Webと一緒にご活用いただければいいなと思っています。

最後に、今年受診してくださった患者さま、大変な時を支えてくれた家族、スタッフ、オーナーさま、近隣薬局スタッフの皆さま、近隣クリニック・地域連携病院の皆さま、MR・卸業者・機器メーカー・業者などクリニックに関わってくださった方々、本当にありがとうございました。とても感謝しております。

まだまだ発展途上(と信じてます)のクリニックですが、丁寧な診察・治療という初心を忘れず頑張っていきますので、来年もよろしくお願いいたします。

2014年12月23日火曜日

Efrem Kurtz &PO - Tchaikovsky "Casse-Noisette (The Nutcracker)" Op.71

12月に入ったと思ったらあっという間に23日になってしまい、明日はクリスマス・イブです。仕事が劇的に忙しくなった…ということもなく、まだまだ頑張らないといけないと思いつつ日にちだけが過ぎていました。

クリスマスというわけでもないのですが、クリスマスに因んだ音楽となると、バッハやオネゲルにはクリスマス・オラトリオがありますが、クリニックのBGMとしてはちょっと…なので、チャイコフスキーの《くるみ割り人形》を選んでみました。

《くるみ割り人形》はバレエ音楽で、舞台はドイツのシュタールバウム家。主人公クララがクリスマス・イブの夜に見る夢?のお話です。大学生のときに姉夫婦と留学先のLA郊外でクリスマスを過ごした際、
《くるみ割り人形》のバレエを観たことがあります(印象的だったのはバレエでなく、帰り道でとても楽しそうに踊りながら帰っている女の子が本当に嬉しそうだったことですが…)

音楽は作曲家自身で編纂したバレエ組曲(Op.71a)があり、オーケストラで演奏されることも多く知られているのですが、この組曲にはなぜか《くるみ割り人形》で一番素敵で美しい曲が入っておらず、ちょっと残念な組曲だと思っています。《くるみ割り人形》は「パ・ド・ドゥ」から「終幕のワルツとアポテオーズ」がクライマックスで、特に「パ・ド・ドゥ」はチャイコフスキーの曲の中でも美しい曲のひとつなのですから(ソ連の怪物指揮者スヴェトラーノフの「パ・ド・ドゥ」はまさに天上の音楽でした)。このエフレム・クルツ盤ではちゃんと「パ・ド・ドゥ」も入ったハイライト盤なのでとても気に入っています。

クルツはユダヤ系ロシア人で戦前・戦後にアメリカやイギリスで活躍した指揮者。録音が少ないため今では忘れられた指揮者の一人になってしまっていますが、この《くるみ割り人形》はとても穏やかで美しく、バレエ帰りに踊っている女の子を思い出させる演奏です。



2014年12月12日金曜日

看板を設置しました

4月に開業してからWebサイト(ホームページ)と郵便局の封筒を除いてほとんど宣伝ない状態でしたが、とうとう…というかようやくJR市ヶ谷駅に 看板を設置しました。

最近はホームページからの集患が一番だと言われていて、確かにうちのクリニックでも50%以上がホームページをみて受診されています。このホームページは私自身が作成しているので、費用がかからず費用対効果は抜群です。ただ年齢層に偏りがあるのではないかな…と思うところもありました。

一方、駅看板は不特定多数のひとがみるため費用の割に集患が良くないと言われるのですが、駅の近くに皮膚科があることすら認識されないといけないということもあり、スポットでもよいので駅看板を設置したいと思っていたところ、たまたま良い場所に空きが出たので設置することにしました。

昔ながらの診療所の看板(野暮ったい感じ)ですが、ひとりでも多くの人に認知してもらえれば…と思っていたところ、午後の診療のときに看板を見て受診してくださった患者さんがいて嬉しかったです。

まだまだ認知度の低いクリニックなので、少しずつ認知していただけるようにがんばらないと。


2014年12月10日水曜日

pfitizner: Kleine Sinfonie G-dur, op.44

1869年生まれ、遅れてきたロマン主義者と呼ばれるハンス・プフィッツナーの《小交響曲》作品44。1939年に作曲され、フルトヴェングラー指揮(録音があるなら聴いてみたい)で初演されています。

プフィッツナーはとてもきれいな旋律の曲が多く、ヴァイオリン協奏曲などは一度だけ実演を聴いたのですが、もっと演奏されてもいいのではと思わせる名曲です。プフィッツナーの中でも旋律が美しいのがこの《小交響曲》と《ヴァイオリンとチェロと小管弦楽のための二重奏曲》作品43で、《小交響曲》はとても愛らしく、少し感傷的でありながら仄かな明るさをもっている不思議な曲です。

今日の午前中はとても空いていて、のんびりとした診察室にこの《小交響曲》が流れていました。とても素敵な曲なのですが...BGMで流すには曲調がちょっと単調で、キャッチーな旋律がないので…ちょっとさびしいかなと思ったり。自宅でゆったりと聴くにはとってもいい曲なのに...「手に取るなやはり野に置け蓮華草」…そんな言葉が頭に浮かびました。

午後はMark Murphyを流すことにしました...渋いかな。

2014年12月5日金曜日

Francesco Tristano - bachCage

今秋台風が東京に接近した日の夜、先客がはけてガランとした店内でフランチェスコ・トリスターノのブスクスフーデとバッハを聴いた。その店のソムリエさんがトリスターノ、テクノ(とモーツァルトのピアノ協奏曲)をこよなく愛していると聞いたのもその日だった。それ以来、トリスターノという名前はグールドと同じようなひとつの記号として認識するようになり、改めて聴いてみようと思い立った。

フランチェスコ・トリスターノは1981年ルクセンブルク生まれのピアニスト(キーボーディスト)で、クラシックからテクノ、DJまで幅広い活躍をしている。同年代にはシュタットフェルトやフレイといったバッハ(と現代音楽)を得意としているピアニストがおり、いずれもグレン・グールド2度目の《ゴールドベルグ変奏曲》を録音した1981年(あるいはその前年)に生を受けている。

バッハの曲をピアノで演奏する際、避けて通れないほど大きく高い壁であるグールドの演奏は、他の演奏を寄せ付けることなく孤高の存在として遺されている。トリスターノやフレイはバッハにテクノなどのデジタル的な要素を加え、ケージあるいはブーレーズといった現代音楽の曲を挟むことでより普遍的なものにしている。それはグールドの演奏を意識するのではなく自然と昇華しているかのように。

トリスターノの自作はゴールドベルク変奏曲のアリアのように最初と最後(実際はバッハのメヌエットが最後)に配置し、その中にバッハとケージの曲を挟み込んでいる。バッハの規則性をもったかっちりとした音楽とケージ初期作品(《the seasons (1947)》、《in a landscape (1948)》など)ながらすでに偶然性を感じさせ、音が少なくスカスカな印象をもたせる音楽が交互に演奏されることで、バッハ、ケージの曲に深みを与えている。

待合室のBGMとなるとケージがどのように聴こえるか心配だけど、少しずつチャレンジしていこうかな。



2014年12月1日月曜日

Claire-Marie Le Guay - Haydn-Mozart L'esprit concertant Vol.3

師走初日の今日は、朝から冷たい雨が降っています。4月に開業して12月になるまであっという間だったと思いつつ、こんな雨の日にはクレール=マリ・ル・ゲのモーツァルトとハイドンのピアノ・ソナタ集を聴いてます。

これはモーツァルトイヤーの2006年から録音が開始され、2008年にこの第3集が発売されてぱったりと音沙汰のなくなったシリーズです。ル・ゲは超絶技巧?が何かと話題になっていたピアニストですが、ハイドンとモーツァルトでは初期と成熟期の作品を交互に織り交ぜながら演奏するスタイルを取っており、そこには「ミラー・ゲーム」という副題とともに意図的なものがあるようです。少し独特でゆったりとしたテンポで弾かれるハイドンは聴きやすく、気に入っています。モーツァルトもK.333など軽やかな曲でも残響の多い音でしっかりと演奏しており、雨のクリニックには最適な1枚だと思います。続きが出ないのは残念ですが、クラシックでは全集にならずに終わるシリーズも多いので…やっぱり売上でしょうか?