10月も20日を過ぎ、ようやく秋らしくなってきました。先週は休暇をいただき、疲れ気味だった心も体もリフレッシュしています。今週はたくさんの患者さんに来ていただき感謝しております。年末までこのまま頑張っていきたいと思います。
クリニックのBGMで主にジャズを流しているのですが、「この演奏はよいですね」とか「誰の演奏ですか?」と聞かれるのはピアノ・トリオがほとんどです。その中でもビル・エヴァンスの演奏の人気は非常に高く、抜群の安定感を見せてくれます(そういえば先日、本田竹曠の演奏を気に入って聞いてくれた方がいました)。ビル・エバンス(・トリオ)のすごいところは、音楽が鳴るとその空間がとても上質な落ち着いた世界に導いてくれる音楽であるというところ。ジャズを聴かないひとでも心地よく響くピアノは、エバンスにより完成した「ピアノで奏でるジャズ」の一つの完成形で、エヴァンス派(多くは耽美的なピアノを指す)というジャンルを形成しているくらいです。独特のサウンドは彼の没後35年以上経過しても色褪せず、いまだに未発表音源やライブ音源が次々発売されています。
ビル・エヴァンス・トリオといっても、ピアノのビル・エヴァンス以外のベースやドラムは活動時期により変わっており、詳しい人は「スコット・ラファロ、ポール・モチアンの第1期トリオがよい」とか「エディ・ゴメスとの円熟した演奏も捨てがたい」などと追求していく楽しみもあります。
「Some Other Time」(MPS)というアルバムもそんな幻の音源(さらにスタジオ録音)であり、ドラムがジャック・ディジョネット(キース・ジャレット・トリオで有名)、ベースがエディ・ゴメスという6ヶ月ほどしか活動していないレアなトリオということで話題になったアルバムです。1968年のモントルー・ジャズ・フェスティバル後に収録されたこの音源は、契約レコード会社(Verve)との関係で、日の目を見ることがなかったようです。演奏はジャック・ディジョネット、エディ・ゴメスという若いサイドメンとの演奏ながら、スタジオ録音ということもあり、とても穏やかで落ち着いた演奏です。"I'll Remember April"、"My Funny Valentine"、"In a Sentimental Mood"、"On Green Dorphin Street"などミディアムからスローテンポの名曲から、"Very Early"、"Some Other Time"といったエヴァンスらしい曲までどれも美しく、BGMには最適です(全体的に似た感じなのでアルバムとしては物足りないと思うひともいるでしょう)。
2016年10月21日金曜日
2016年8月29日月曜日
ジョン・レイニーのレア盤?
あっという間に8月が終わろうとしています。クリニックでは患者番号が5000を越えました。2年と5ヶ月弱…早かったのか遅かったのかわかりませんが、それだけ多くの患者さんに来ていただけて感謝しています。「肌トラブルがあったらまた受診したい」と思える診療をしていきたいと日々頑張ってまいります。
今年の夏…と括ってしまうには早いのですが、夏らしい期間が少なかったような気がします。8月後半は台風が上陸すると言われてびくびくしていましたが、クリニックへの影響はあまりなくホッとしています。
今日の1枚はジョン・レイニー(Jon Raney) "Waltz for Talia"です。自主制作盤のためスリムケースに入っていおり、メンバーも誰一人わかりませんが、演奏はとても上質の大人なピアノ・トリオです。1曲目の"Waltz for Talia"は娘に捧げた曲で、とてもリリカルで美しい曲で魅了されます。6曲目"Dedicated to Bill"はビル・エヴァンスへ捧げた曲であり、彼の演奏はどことなくエヴァンスを感じさせる繊細さと美しさにあふれています。ブルージーな曲でも荒々しくなりすぎることはなく心地よく響くため、クリニックのBGMとしても最適です。
レア盤ということなのですが、Apple Musicでも手軽にダウンロードできるので、多くの方に聴いてもらいたい1枚です。
今年の夏…と括ってしまうには早いのですが、夏らしい期間が少なかったような気がします。8月後半は台風が上陸すると言われてびくびくしていましたが、クリニックへの影響はあまりなくホッとしています。
今日の1枚はジョン・レイニー(Jon Raney) "Waltz for Talia"です。自主制作盤のためスリムケースに入っていおり、メンバーも誰一人わかりませんが、演奏はとても上質の大人なピアノ・トリオです。1曲目の"Waltz for Talia"は娘に捧げた曲で、とてもリリカルで美しい曲で魅了されます。6曲目"Dedicated to Bill"はビル・エヴァンスへ捧げた曲であり、彼の演奏はどことなくエヴァンスを感じさせる繊細さと美しさにあふれています。ブルージーな曲でも荒々しくなりすぎることはなく心地よく響くため、クリニックのBGMとしても最適です。
レア盤ということなのですが、Apple Musicでも手軽にダウンロードできるので、多くの方に聴いてもらいたい1枚です。
2016年2月11日木曜日
Sweet Georgie Fameはどれがお好き?
ブロッサム・ディアリーの代表曲《Sweet Georgie Fame》は彼女の演奏も含めて大好きな曲ですが、モッズ・ムーブメントを代表するオルガニスト兼歌手であるジョージィ・フェイムに捧げる歌であると知ったのはつい最近のことです。いままで歌詞の内容を気にしなかったのもあるのですが、ジョージィ・フェイムを意識して聴いていなかったためかもしれません。この曲を最初に聴いたのは "Sweet Blossom Dearie"(1967)というアルバムに入っているもので、素敵なメロディと語るようにささやきながら優しい歌声がブロッサム・ディアリーのロリータ・ヴォイス(地声です)とマッチしていたことを覚えています。
このアルバムのLPオリジナル盤はいまでもリビングに飾っているほど好きなアルバムです…が、《Sweet Georgie Fame》の好きな演奏はというと、"Me and Phil" という1993年にメルボルンで録音された彼女のピアノとフィル・スコージーのベースという編成でゆったりと演奏されたものです。
《Sweet Georgie Fame》をピアノ・トリオで聴くとなると、元気いっぱいなテテ・モントリューやしっとりとしたルイス・ヴァン・ダイクのピアノも捨てがたいのですが、幻の女流ピアニスト(デビューから四半世紀消息不明だった…といっても音楽院教師をしていたそうですが)、デビー・ポーリスのデビュー盤 "Trio"(1982)に収録されているものが一番好きです。ベースでメロディを奏でるところから始まり、次第にデビー・ポーリスの優しいピアノの旋律が聴こえてくる、それはあたかも "Me and Phil" でブロッサム・ディアリーが歌うような密やかさがあって…聴いているだけでいつも幸せな気分になります。
このアルバムのLPオリジナル盤はいまでもリビングに飾っているほど好きなアルバムです…が、《Sweet Georgie Fame》の好きな演奏はというと、"Me and Phil" という1993年にメルボルンで録音された彼女のピアノとフィル・スコージーのベースという編成でゆったりと演奏されたものです。
《Sweet Georgie Fame》をピアノ・トリオで聴くとなると、元気いっぱいなテテ・モントリューやしっとりとしたルイス・ヴァン・ダイクのピアノも捨てがたいのですが、幻の女流ピアニスト(デビューから四半世紀消息不明だった…といっても音楽院教師をしていたそうですが)、デビー・ポーリスのデビュー盤 "Trio"(1982)に収録されているものが一番好きです。ベースでメロディを奏でるところから始まり、次第にデビー・ポーリスの優しいピアノの旋律が聴こえてくる、それはあたかも "Me and Phil" でブロッサム・ディアリーが歌うような密やかさがあって…聴いているだけでいつも幸せな気分になります。
2015年11月29日日曜日
Spike Wilner Trio - Live at Smalls
ニューヨーク、ウェスト・ヴィレッジ・7thアヴェニュー・サウスにあるジャズクラブ「Smalls」の共同経営者であり、ピアニスト、作曲家、ジャズ研究家など複数の肩書をもつスパイク・ウェルナーのトリオ盤。
トリオといってもピアノ、ベース、ドラムではなく、ピアノ、ベース、ギターであり、アート・テイタム、ナット・キング・コール、オスカー・ピーターソンなどでみられた、1930〜40年台あたりの古典的な編成である。このドラムレス・トリオはスパイク・ウェルナーの「ピアノが主役。ドラムやヴォーカルは入れない。」という経営方針にも現れているようです。アルバムではベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」第2楽章やスコット・ジョプリンの「マグネティック・ラグ」からジェローム・カーンやコール・ポーターのミュージカル曲(ジャズ・スタンダードとして知られた曲)をpopular themeとして変奏曲にしたりしています。ピアノは雄弁に語りかけたり、音の強弱を奏でたりすることなく、控えめな音と少ない音数でリズミカルに演奏しています。ピアノソロに優しく寄り添うベースとギターはときに絡みつくように音を重ねていくさまは非常に心地よく感じます。
クリニックのBGMとしても主張し過ぎず、うるさ過ぎずで最適です。クリニックには小さい子供から高齢の方まで受診していただいているため、(音楽的には卓越していたとしても)新しいジャズやコンテンポラリー・ミュージックは音が先鋭的になりやすいためBGMになりにくいのですが、このアルバムならいろいろな年代の人に楽しんでいただけるのではと思います。
ディスクユニオンのエサ箱(セール品ですごく安かった)にあったもの購入したのですが、とても聴き応えのあるアルバムでした。冬の夜なんかに最適の1枚です。
トリオといってもピアノ、ベース、ドラムではなく、ピアノ、ベース、ギターであり、アート・テイタム、ナット・キング・コール、オスカー・ピーターソンなどでみられた、1930〜40年台あたりの古典的な編成である。このドラムレス・トリオはスパイク・ウェルナーの「ピアノが主役。ドラムやヴォーカルは入れない。」という経営方針にも現れているようです。アルバムではベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」第2楽章やスコット・ジョプリンの「マグネティック・ラグ」からジェローム・カーンやコール・ポーターのミュージカル曲(ジャズ・スタンダードとして知られた曲)をpopular themeとして変奏曲にしたりしています。ピアノは雄弁に語りかけたり、音の強弱を奏でたりすることなく、控えめな音と少ない音数でリズミカルに演奏しています。ピアノソロに優しく寄り添うベースとギターはときに絡みつくように音を重ねていくさまは非常に心地よく感じます。
クリニックのBGMとしても主張し過ぎず、うるさ過ぎずで最適です。クリニックには小さい子供から高齢の方まで受診していただいているため、(音楽的には卓越していたとしても)新しいジャズやコンテンポラリー・ミュージックは音が先鋭的になりやすいためBGMになりにくいのですが、このアルバムならいろいろな年代の人に楽しんでいただけるのではと思います。
ディスクユニオンのエサ箱(セール品ですごく安かった)にあったもの購入したのですが、とても聴き応えのあるアルバムでした。冬の夜なんかに最適の1枚です。
2015年7月10日金曜日
旧友に出会う偶然とインプロヴィゼーション
7月はずっと梅雨空の雨続きでしたが、今日は晴れ間も出て夏を予感させる暑い一日になりました。本日は大学の外来もなく帰宅していたところ、突然声をかけられて振り向いたところ、外国に住んでいるはずの幼なじみがいてびっくり。小中学校が一緒で、研修医のときに同じ病院で研修したので十何年に一回は再開している計算ですが…夏休み期間で日本に帰っているとのこと。こんな偶然びっくりですが、天文学的確率…というわけでもないのでしょうか。
音楽での偶然性はジョン・ケージという戦後に活躍した現代作曲家(この言葉は20世紀的な観点からのです)が提唱していますが、そんな「偶然性の音楽」には興味がなく、ジャズでいうところの「即興(インプロヴィゼーション)」が相応しいかな?インプロヴィゼーションというとかつてビル・エヴァンスがマイルス・デイヴィスのアルバムのライナーノーツに「ジャズとインプロヴィゼーション」という文章を寄せていて、その中で「日本絵画」を「インプロヴィゼーション」と類推するという内容を思い出します。そんなビル・エヴァンスのアルバムでは《アローン(アゲイン)》はインプロヴィゼーションにあふれた名演だと思います。リリカルでありつつもささやかな咆哮と即興性にあふれたピアノ・ソロはとても心地よい時間を与えてくれます。
音楽での偶然性はジョン・ケージという戦後に活躍した現代作曲家(この言葉は20世紀的な観点からのです)が提唱していますが、そんな「偶然性の音楽」には興味がなく、ジャズでいうところの「即興(インプロヴィゼーション)」が相応しいかな?インプロヴィゼーションというとかつてビル・エヴァンスがマイルス・デイヴィスのアルバムのライナーノーツに「ジャズとインプロヴィゼーション」という文章を寄せていて、その中で「日本絵画」を「インプロヴィゼーション」と類推するという内容を思い出します。そんなビル・エヴァンスのアルバムでは《アローン(アゲイン)》はインプロヴィゼーションにあふれた名演だと思います。リリカルでありつつもささやかな咆哮と即興性にあふれたピアノ・ソロはとても心地よい時間を与えてくれます。
2015年7月2日木曜日
梅雨の日のピート・ジョリー
6月は200名を超える新規受診の方々がいらしていただき、ようやくクリニックらしくなってきたかなと思っていたところ…今日はいつも以上にのんびりです。なでしこジャパンの試合もあったし、天気も悪いし…などと考えるのはやめておきます。
今年の梅雨は梅雨らしく(?)、小雨のぐずついた天気が続いています。そんな日のBGMはどうしようかと考えてしまうのですが、ピート・ジョリーの軽妙で明るいピアノが良いのではと"Sweet September"というアルバムなどをかけています。ピート・ジョリーは、ウエストコースト・ジャズと呼ばれる西海岸で演奏されていた白人系ジャズの代表的なピアニストで、かつては「幻のAVA盤」と呼ばれたらしいピアノ・トリオ盤です(いまだとApple Musicなどでも聴けます)。このアルバムから聞こえる音は、あらゆる点で輝いていていた1950年代のアメリカを想起させる明るい響きと懐かしさが混在して心地よい時間を与えてくれます。
今日の午後に期待しましょう。
2015年6月27日土曜日
医療機関とJASRACとマルグリュー・ミラー
今年の6月はブログを書くことができないまま終わろうとしてます。7月は少しでも多くかけるように…なるでしょうか?
最近の気になった話題の一つにJASRACの使用料未払いに対する法的措置がありました。日本では店舗でCDや配信音源などの録音音源をBGMとして使用する際、JASRAC(日本音楽著作権協会)に使用料を払わないといけないという取り決めがあるのですが、今月に入り使用料未登録の店舗・施設に民事調停の法的措置を取ったというニュースが流れて俄然注目を集めました。医療機関で流すBGMも使用料が必要かというと…福祉・医療機関はいまのところ教育機関とともに「使用料を免除する施設」であるため必要ないのですが、クリニックは使用料が必要なのかな?とサイトを確認してしまいました。クリニックのBGMについてブログに書いてきているので、この使用料問題がどうなっていくのか気になるところです。
音楽に話題を変えると、大好きなピアニスト・マルグリュー・ミラーの命日が5月29日だったことをすっかり忘れていて、今頃になって思い出したかのように彼のアルバムを聴いてる毎日です。最近良く聴いているのは、2000年に入ってからマルグリュー・ミラーのアルバムをコンスタントに出してきたMAXJAZZレーベルの2005年作品で、アメリカ西海岸のライブスポットYoshi's(名前の通り日本人経営のライブハウスです)でのキレキレのライブ第2弾(LIVE AT YOSHI'S VOLUME 2)です。1曲目の《Joshua》から切れ味鋭くも音がとてもきれいで粒立ちの良いピアノを聴かせてくれます。ライブでのマルグリューは大きな背中から湯気が立ち昇るほどの熱気と風貌から想像できないような繊細なタッチと美しい旋律を奏でていたのを思い出させます。5曲目《One's own room》のようなコンテンポラリー的なものでも聴きやすく、ロバート・グラスパーの最新アルバムに通じる歌謡性を感じます。
2015年6月9日火曜日
雨の日のアン・バートン
先週土曜日にカルテ番号が2000番に到達しました。まだまだゆっくりとした歩みですが、1年2か月で到達できたことに感謝しています。これからも丁寧な診療を心がけたいと思います。
5月の暑かった日々が一段落…という間もなく梅雨入りしました。最近はいろいろな年代のひとにも聴きやすいBGMをと考えて選曲していますが、雨になるとついつい選びたくなるのはアン・バートンです。おそらく「雨の日と月曜日は」というカーペンターズの曲をアレンジしたアルバム(タイトルも「雨の日と月曜日は」)のイメージなのかもしれないのですが、アン・バートンのしっとりとしたバラードは雨の日にぴったりなのです。
今日のBGMは彼女の初期作品を流しています。同郷(オランダ)のルイス・ヴァン・ダイクのピアノはとても繊細で、アン・バートンの低い声でささやくような歌声と絶妙に絡み合います。こんな雨の日はアン・バートンのゆったりとしたバラードが心地よいです。
5月の暑かった日々が一段落…という間もなく梅雨入りしました。最近はいろいろな年代のひとにも聴きやすいBGMをと考えて選曲していますが、雨になるとついつい選びたくなるのはアン・バートンです。おそらく「雨の日と月曜日は」というカーペンターズの曲をアレンジしたアルバム(タイトルも「雨の日と月曜日は」)のイメージなのかもしれないのですが、アン・バートンのしっとりとしたバラードは雨の日にぴったりなのです。
今日のBGMは彼女の初期作品を流しています。同郷(オランダ)のルイス・ヴァン・ダイクのピアノはとても繊細で、アン・バートンの低い声でささやくような歌声と絶妙に絡み合います。こんな雨の日はアン・バートンのゆったりとしたバラードが心地よいです。
2015年6月3日水曜日
ロバート・グラスパー・エクスペリメント(Billboard東京公演)
先週末は金曜午後より土曜にかけて、パシフィコ横浜で開催された第114回日本皮膚科学会総会に参加してきました。土曜の休診が上手くお伝え出来ていなかったところがあり…ご迷惑おかけしてしまってすみません。いまの皮膚科のトピックスは遅まきながら皮膚悪性腫瘍や尋常性乾癬の分子標的治療薬、遺伝子解析といったところでしょうか?
一口に学会と言っても、皮膚科で例えると一番大きな総会(年1回)から支部総会(東部・中部・西部・東京)、地方会、研究会と多岐にわたります。ちなみに皮膚科の地方会は東京支部で年6回(ちなみに放射線科は関東・甲信越で年2回)あります。昨年は開業したばかりでばたばたしていたのでなかなか学会参加できませんでしたが、今年は少し余裕を持って参加してこようと思ってます。
昨日は診療が終わってからすぐにBillboard東京へ。昨年に引き続きロバート・グラスパー・エクスペリメントの東京公演にいってきました。ロバート・グラスパーはジャズだけではなくR&Bとしてグラミーを受賞するほど多岐にわたる活躍をしているピアニスト。昨年はサマソニ後ということもあり、ノリノリ系を期待して行ったところクールで繊細なサウンドでちょっと肩透かしでしたが、今年は期待以上に楽しめました。昨年は彼が敬愛するハービー・ハンコック寄りとすると、今年はより叙情的なピアノで、高校生のグラスパーにピアノを指導したマルグリューに近い響き。
グラスパーばかり話題にしてしまうのですが、エクスペリメントはケイシー・ベンジャミンがフロントでヴォコーダーとサックスを変幻自在に操るところも忘れてはいけません。昨日はドレッドヘアーをとさかのところが赤いリーゼントにして決まっていました。さらにベースのデリック・ホッジ(マルグリュー・ミラーの寵愛をうけたベーシスト)、ドラムのクリス・デイブも気持ち良いサウンドを聴かせてくれました。
そうそうグラスパーは観るたびに大きくなっているようで…すでにオスカー・ピーターソンを通り越してマルグリュー・ミラーばりになってました。
一口に学会と言っても、皮膚科で例えると一番大きな総会(年1回)から支部総会(東部・中部・西部・東京)、地方会、研究会と多岐にわたります。ちなみに皮膚科の地方会は東京支部で年6回(ちなみに放射線科は関東・甲信越で年2回)あります。昨年は開業したばかりでばたばたしていたのでなかなか学会参加できませんでしたが、今年は少し余裕を持って参加してこようと思ってます。
昨日は診療が終わってからすぐにBillboard東京へ。昨年に引き続きロバート・グラスパー・エクスペリメントの東京公演にいってきました。ロバート・グラスパーはジャズだけではなくR&Bとしてグラミーを受賞するほど多岐にわたる活躍をしているピアニスト。昨年はサマソニ後ということもあり、ノリノリ系を期待して行ったところクールで繊細なサウンドでちょっと肩透かしでしたが、今年は期待以上に楽しめました。昨年は彼が敬愛するハービー・ハンコック寄りとすると、今年はより叙情的なピアノで、高校生のグラスパーにピアノを指導したマルグリューに近い響き。
グラスパーばかり話題にしてしまうのですが、エクスペリメントはケイシー・ベンジャミンがフロントでヴォコーダーとサックスを変幻自在に操るところも忘れてはいけません。昨日はドレッドヘアーをとさかのところが赤いリーゼントにして決まっていました。さらにベースのデリック・ホッジ(マルグリュー・ミラーの寵愛をうけたベーシスト)、ドラムのクリス・デイブも気持ち良いサウンドを聴かせてくれました。
そうそうグラスパーは観るたびに大きくなっているようで…すでにオスカー・ピーターソンを通り越してマルグリュー・ミラーばりになってました。
2015年5月9日土曜日
セロニアス・モンクのいた風景
あっという間にゴールデンウィークが終わり、5月も3分の1が過ぎようとしています。おかげさまでクリニックも開院1年が過ぎ、多くの患者さまに受診していただけるようになりました。忙しく仕事ができる喜びを感じています。連休は昨年に続き、軽井沢で過ごしてきました。昨年の教訓を活かしてほとんど渋滞に遭遇することなく移動ができ、ゆっくりと英気を養うことができました。
軽井沢では村上春樹編・訳の「セロニアス・モンクのいた風景」を読んできました。セロニアス・モンクというと「風変わり」とか「異端」というキーワードが浮かぶジャズ・ピアニストの巨人(手垢のついた表現になりますがレジェンド)のひとりです。CS放送のミュージック・エアでライブ映像を観たり、CDも何枚も聴いているのですが、いまいちピンとこないピアニスト(あくまで個人的主観です)でした。そんなセロニアス・モンクについてリアルタイムで触れ合った音楽家、評論家、パトロンなどの文章を村上春樹が翻訳し、個人のエッセイを加えた1冊です。セロニアス・モンクに対するそれぞれの立場からの評論はおおむね好意的なものであり、その先進性と特異性がジャズを更なる次元に導いたという印象があります。興味深いエピソードはマイルス・デイビス楽団をクビになった若きジョン・コルトレーンとのやりとり(このふたりが共演した音源はほとんど残っておらずどんな演奏をしたのか気になります)やダウンビート誌がおこなった「ブラインドフォールドテスト」での歯に衣着せぬ言動(「私はすべての音楽が好きだ」という言葉で許してもらえる…はずです)などでした。
村上春樹の私的レコード案内…あくまで私的であるといつもの春樹節(このうねうねとした言い訳がとても好きです)でアルバムを聴き直してみようという気分になります。
私のセロニアス・モンクのベストアルバム、あくまで私的ということで、名作とかこの奏法がすごいなどという一般的評価とは関係なく、僕にとっての「セロニアス・モンクのいた風景」は《Criss-Cross》です。いろいろな意味でモンクらしくない聴き易さがあるからです。
軽井沢では村上春樹編・訳の「セロニアス・モンクのいた風景」を読んできました。セロニアス・モンクというと「風変わり」とか「異端」というキーワードが浮かぶジャズ・ピアニストの巨人(手垢のついた表現になりますがレジェンド)のひとりです。CS放送のミュージック・エアでライブ映像を観たり、CDも何枚も聴いているのですが、いまいちピンとこないピアニスト(あくまで個人的主観です)でした。そんなセロニアス・モンクについてリアルタイムで触れ合った音楽家、評論家、パトロンなどの文章を村上春樹が翻訳し、個人のエッセイを加えた1冊です。セロニアス・モンクに対するそれぞれの立場からの評論はおおむね好意的なものであり、その先進性と特異性がジャズを更なる次元に導いたという印象があります。興味深いエピソードはマイルス・デイビス楽団をクビになった若きジョン・コルトレーンとのやりとり(このふたりが共演した音源はほとんど残っておらずどんな演奏をしたのか気になります)やダウンビート誌がおこなった「ブラインドフォールドテスト」での歯に衣着せぬ言動(「私はすべての音楽が好きだ」という言葉で許してもらえる…はずです)などでした。
村上春樹の私的レコード案内…あくまで私的であるといつもの春樹節(このうねうねとした言い訳がとても好きです)でアルバムを聴き直してみようという気分になります。
私のセロニアス・モンクのベストアルバム、あくまで私的ということで、名作とかこの奏法がすごいなどという一般的評価とは関係なく、僕にとっての「セロニアス・モンクのいた風景」は《Criss-Cross》です。いろいろな意味でモンクらしくない聴き易さがあるからです。
2015年4月14日火曜日
Robert Stewart - Beautiful Love
1曲目の《Speak Low》からテナー・サックスの野太いブロウを聴かせてくれる1枚。(良い意味での)むせぶような黒さを感じさせるアルバムで、2曲目《Beautiful Love》から7曲目《Canadian Sunset》まで全部スローなバラードなため、"Beautiful Love Bullard"というタイトルで再発しているようです(ジャケ写もジャズっぽいものに変わっています)。《Speak Low》はこの演奏が好きで事あるごとに聴いていたため、自分の中の演奏基準になっているほどです。
ロバート・ステュアートは1990年〜2000年台にかけて何枚かリーダー作を作っているのですが、2004年を境にぱったりとアルバム作成をしておらず、公式サイトとおぼしきWebサイトも更新されている気配がありません。iTunesでリーダー作をほぼ購入できるのですが、演奏スタイルがデビュー当時(このアルバムは2作目)のブロウで男気あふれるサックスから徐々にスピリチュアルな感じになって、最後にはメロウな演奏になっており(これはこれで良い演奏なのですが)、目指していたものがどこなのかわからない感じがします。
Wikipedia日本版には(当然?)彼の項目はなく、名前検索だけでは現状がわからず消息不明にでもなっているのかと思ったのですが...詳細にGoogle検索してみると昨年のジャズ・ライブの案内がみつかったので、アメリカで(ライブを中心に)活躍されているのではないでしょうか?ジャズの世界は長らくアルバムに恵まれなくても、突然復活することもしばしばあるので、気長に待つことにします。
ジャケットの写真は誰だかわからないのですが、ロバート・ステュアートではありません。
ロバート・ステュアートは1990年〜2000年台にかけて何枚かリーダー作を作っているのですが、2004年を境にぱったりとアルバム作成をしておらず、公式サイトとおぼしきWebサイトも更新されている気配がありません。iTunesでリーダー作をほぼ購入できるのですが、演奏スタイルがデビュー当時(このアルバムは2作目)のブロウで男気あふれるサックスから徐々にスピリチュアルな感じになって、最後にはメロウな演奏になっており(これはこれで良い演奏なのですが)、目指していたものがどこなのかわからない感じがします。
Wikipedia日本版には(当然?)彼の項目はなく、名前検索だけでは現状がわからず消息不明にでもなっているのかと思ったのですが...詳細にGoogle検索してみると昨年のジャズ・ライブの案内がみつかったので、アメリカで(ライブを中心に)活躍されているのではないでしょうか?ジャズの世界は長らくアルバムに恵まれなくても、突然復活することもしばしばあるので、気長に待つことにします。
ジャケットの写真は誰だかわからないのですが、ロバート・ステュアートではありません。
2015年4月6日月曜日
4月になりました - Xavier Davis Trio
4月になりました。クリニックも開院してから無事に1周年を迎えることが出来ました。これもひとえに、受診してくれた患者さんや優しく支えてくれた家族・スタッフのおかげです。これからもゆっくりとひとりひとりのために丁寧な診察を心がけていきたいと思っています。また今月から美容外来(私は美容が全くわからないので妻が診察します)ができたので、これまで以上に“皮ふケア”ができるクリニックになることを期待しています。
4月のBGMは午前・午後ともにジャズにしました。先日、ほぼ1年ぶりにに受診された患者さんに「ここはいつもジャズが流れていていいですね」と言われたときはとても嬉しく思いました。これからも心地よい音楽の流れる待合室になるようにしたいと思います。クラシック(R&B、ボサ・ノヴァなども)などを集中的に流すことも考えています。
Xavier Davis(ザヴィエル・デイヴィス)は1971年ミシガン州生まれのピアニスト。サイドマンとしてニコラス・ペイトンやマーク・ターナーをはじめ、デヴィッド・ワイスなどの作品に名を連ねていますが、リーダー作はこの《Innocence of Youth》(2002年録音)だけのようです。ザヴィエル・デイヴィスがマルグリュー・ミラーにそっくりな演奏スタイルなのは、彼を見出したのがマルグリューであり、マルグリューをアイドルとして慕っているからとも言われます。このアルバムのイントロである"The Message"の流麗なピアノ・ソロだけでも彼の素晴らしさがわかります。3曲目の"Milk Wit A Koolaid Chaser "や"Milestones"などは完全にマルグリュー・ミラーであり、完コピなのかと思うほどです。"The Day Will Come"や"Innocence of Youth"などでは彼ならではのリリカルで知的なピアノを堪能することができます。
2015年3月26日木曜日
Andrea Pozza Trio - Drop This Thing
早いもので3月も残すところあと5日、日に日に暖かくなってきました。外堀の桜も一分咲きですが、桜の季節となっているのを実感しています。
1曲目《Nebulosa》の冒頭からカッコよく聴かせてくれるアルバム。《Nebulosa》は非業の死(無実の罪で捉えられ拷問の末殺されてしまったのです...)をとげた伝説的なピアニストである、テノーリオ・ジュニオールによるジャズ・サンバの名曲。いろいろなところでサンプリングされているので、冒頭の旋律はどこかで聴いたことあるはずです。アンドレア・ポッツァの演奏はリリカルでどこか醒めた感じもありますが、ジャズ・サンバというよりもジャズとして奏でられています。2曲目はジョー・ジャクソンの《You Can't Get What You Want》をアラン・ファーリントンの渋い声でジャジーに聴かせてくれます。他にもボビー・コールの《Perfect Day》にオリジナル曲を散りばめた1枚です。
春より秋〜冬の寒い時期にあっているかな...と思いながらも、《Nebulosa》聴きたさについついかけてしまう1枚です。
2015年3月18日水曜日
John Coltrane - Lush Life
久々のブログ更新です。アルバム冒頭からジョン・コルトレーンの野太くセンチメンタルなソロが朗々と奏でられるこの盤は、後年のスピリチュアルなコルトレーンが苦手な人でも楽しめる1枚です。コルトレーンというと(良い意味での)黒さが全面に溢れており、「ジャズってこんな感じ」という漠然とした答えを導き出してくれるジャズ界の巨人です。ただ、だんだんとスピリチュアルで難解なフリー・ジャズに傾倒してしまうため、アルバムをたくさん持っていても手に取るアルバムが限られてしまうひとりでもあります。
1曲目《Like Someone In Love》から3曲目《There's Slow Blues》(LPでいうところのA面)はピアノレストリオであり、1957、8年あたりの録音と思えないほど臨場感あふれるコルトレーンのテナーが魅力です。4曲目の表題曲である《Lush Life》からはレッド・ガーランドのピアノが参加し、コルトレーンも甘くセンチメンタルな演奏を聴かせます。
A面B面という表現はレコードにしか通用しない表現ですが、盤をひっくり返すと雰囲気の違う演奏になるなんてとても素敵な選曲だなと思います。このような選曲から、今年のグラミーでプリンスが「皆さん“アルバム”って覚えていますか?“アルバム”って大事なものなんです」とスピーチしたことを思い出しました。いまはストリーミングなどで気に入った曲だけピックアップでき便利なのですが、取捨選択するのではアルバムのコンセプトだけでなく「演奏(録音)された時代や背景を反映している空気」というものもわからなくなるので好きではありません。
このアルバム...というよりコルトレーンは秋〜冬になる時期に流したほうが雰囲気あったかもしれないのですが、ともあれ午後の待合室を落ち着かせてくれる素敵な1枚です。
2015年2月20日金曜日
Steve Czarnecki Trio - When I Dream of You
スティーブ・クザルネッキがリーダーのピアノ・トリオ(1993年録音)。ジャケ写は写真家エリオット・アーウィットの代表作である、”California 1955"という写真を使用している。この写真を使ったアルバムというとエディ・リーダー率いる(一発屋)フェアグラウンド・アトラクションの"The First of a Million Kisse(邦題ファースト・キッス)"が有名。そのジャケットに比べるとチープな作りですが、演奏は奇を衒うことなくストレートなまごうかたなきピアノ・トリオです。
ジミー・スミスの《Bashin'》から始まり、アルバムタイトルにある《When I Dream of You》など3曲のオリジナルを含めた合計11曲から構成されており、どの曲もスローからミディアムテンポで安心して聴いていられるところがよいです。ビル・エヴァンスに捧げると書かれた《Who Can I Turn To ?》ではスティーブ・クザルネッキの美しいピアノ・ソロを聴かせてくれます。クリニックのBGMには(良い意味で)最適なアルバムです。
《I've Got You Under My Skin》では女性ヴォーカル(Baomi Butts-Bhanji)が入っているのですが、裏面には記載がなく初めて聴いた時にびっくりしました。
ジミー・スミスの《Bashin'》から始まり、アルバムタイトルにある《When I Dream of You》など3曲のオリジナルを含めた合計11曲から構成されており、どの曲もスローからミディアムテンポで安心して聴いていられるところがよいです。ビル・エヴァンスに捧げると書かれた《Who Can I Turn To ?》ではスティーブ・クザルネッキの美しいピアノ・ソロを聴かせてくれます。クリニックのBGMには(良い意味で)最適なアルバムです。
《I've Got You Under My Skin》では女性ヴォーカル(Baomi Butts-Bhanji)が入っているのですが、裏面には記載がなく初めて聴いた時にびっくりしました。
2015年2月18日水曜日
Karen Souza - Essentials 2
今日も冷たい雨が降っています。午前は開店休業中といえるほどのんびりしてました…。午後は予約が入っているので少しは仕事した感じになるのでしょうか?
こんな冷たい雨の午後はアルゼンチンの歌姫カレン・ソウサの新しいアルバムをかけています。2011年に"Essentials"というロックやポップスの曲をカヴァーしたアルバムでブレイクしており、その2作目がこのアルバムです。彼女はつい先日ブルーノート東京でライヴしていたのですが、残念なことに行けませんでした(日程を忘れていただけ…)。40歳を過ぎた耳には1曲目のブルース・ホーンズビー《The Way It Is》の旋律を聴いただけで胸が熱くなるのに、おまけにアンニュイなハスキーボイスでジャジーに歌われるとイチコロです。3曲目のモリッシー、9曲目のINXSなど懐かしい曲ばかりでアレンジともども気に入っています。
国内盤だけリック・アストリーの《Never Gonna Give You Up》が入っているのを知らずに輸入盤を購入してしまったが心残り…iTunesで買う…か思案中です。
こんな冷たい雨の午後はアルゼンチンの歌姫カレン・ソウサの新しいアルバムをかけています。2011年に"Essentials"というロックやポップスの曲をカヴァーしたアルバムでブレイクしており、その2作目がこのアルバムです。彼女はつい先日ブルーノート東京でライヴしていたのですが、残念なことに行けませんでした(日程を忘れていただけ…)。40歳を過ぎた耳には1曲目のブルース・ホーンズビー《The Way It Is》の旋律を聴いただけで胸が熱くなるのに、おまけにアンニュイなハスキーボイスでジャジーに歌われるとイチコロです。3曲目のモリッシー、9曲目のINXSなど懐かしい曲ばかりでアレンジともども気に入っています。
国内盤だけリック・アストリーの《Never Gonna Give You Up》が入っているのを知らずに輸入盤を購入してしまったが心残り…iTunesで買う…か思案中です。
2015年2月17日火曜日
Kenny Werner Trio - A Delicate Balance
今朝の雪は勢いがあって、積もるのかと思っていたらすぐに小雨になりました。でもすごく寒くて、春になるまでまだまだ時間がかかりそうです。こんな寒い日のBGMはケニー・ワーナーの1997年録音を選択。ドラムがジャック・ディジョネット、ベースがデイブ・ホランドととても贅沢な組み合わせ。ケニー・ワーナーはアメリカのピアニスト兼作曲家で、学生時代にクラシックからジャズに転向しています(ハービー・ハンコックもクラシックからジャズに転向ですが...)。このピアニストが人気あるのかは別として、よく言われているのは「こねくりすぎ」「いじりすぎ」。彼の奏でる旋律は美しく叙情的なのですが、直感的というより頭でっかちで神経質(偏屈?)のような印象をあたえるところはあります。とくにオリジナル曲などはよく聴きこまないと良さがわかりにくいかもしれないです。ケニー・ワーナーは個人的に好きなピアニストで、ふとした時に聴きたくなるひとりなのです。寒い雨の日には、こんな叙情的でちょっとだけ内向的で偏屈なピアノが合っています。ナット・アダレイの"Work Song"を以外は全てケニー・ワーナーオリジナル曲です。
2015年2月3日火曜日
Mulgrew Miller - Trio Transition
2月からホームページ上に「本日のBGM」を載せることにしました。だいたいこんな感じですというアバウトなものですが、お役に立てればと思います。
いままでクラシックだとバッハからモーツァルトまでが多かったのですが、今月はロマン派〜国民楽派まで少し濃厚な音楽を流してます。ジャズはピアノ・トリオ中心からサックスなどを含めた編成も少しずつ増やしています。火曜日午後はマルグリュー・ミラーがサイドマンとして演奏しているアルバムとこの日本で録音された「Trio Transition」です。マルグリュー・ミラーは私が敬愛するピアニスト…残念ながら一昨年にまだまだこれからという時期で鬼籍に入ってしまいましたが…その彼がウディ・ショウ、トニー・ウィリアムスやアート・ブレイキーのバンドで頭角を現して、満を持してリーダー作を世に問うた、日本公演時に録音された1987年録音のアルバム。
発売当時はベースのレジー・コールマン、ドラムのフレドリック・ウェイツが三位一体になり対等に演奏しているという趣旨だと思ったのですが、いま聴いてみるとマルグリュー・ミラーのピアノが抜きん出ていて、マルグリュー・ミラーのリーダー作のようです。デビュー当時はマッコイ・タイナー風とも言われた彼の流麗かつ力強いピアノは、紛れも無い彼独特のものであり、このアルバムでは勢いというか若々しさも感じさせます。これに似た演奏というと…いまは大林武司、ザヴィアー・デイヴィス(最近リーダー作がないですね)などでしょうか。最近は彼らのようなマルグリュー・ミラー系?とも言えるピアニストがちらほら見かけるようになっているので、これからは彼らの演奏が楽しんでいこうと思います。
2015年1月26日月曜日
Joe Chindamo Trio - Joy of Standards
オーストラリアのピアニスト、ジョー・チンダモによるピアノ・トリオ。玄人好みのピアノ・トリオを量産している澤野工房による2000年録音作品。このシリーズは2002年にVol.2が録音されているので、このアルバムが好評だったためと思われます。
オーストラリアのジャズはあまりピンとこないというか(ジャネット・ザイデルも?)、南半球だと、ニュージーランドのダン・パピラニー(といってもイスラエル出身)ぐらいしか知らないのですが、ジョー・チンダモのピアノは爽やかで心地よく、適度な憂いもあるため、BGMに最適です。
チンダモがジャズにハマるきっかけは、オスカー・ピーターソン、ビル・エヴァンス、エロール・ガーナー、チック・コリア、ハービー・ハンコックなどを聴いていたこと、15歳のときにピアノを購入したことだそうです。18歳になって初めてピアノレッスンを受けたという遅咲きにみえる経歴ですが、6歳の頃からアコーディオンを嗜んでおり、音楽的な素養は十分あったのでしょう。
2015年1月6日火曜日
The Paul Smith Trio - Saratoga
遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。昨年は開業前からバタバタし、開業後も波に乗り切れないまま?あっという間に1年が過ぎてしまった感じです。本年も変わらず丁寧な診療を心がけていきますので、よろしくお願いいたします。
最近ブログが少し停滞気味になっているのは書くヒマがないほど忙しい…というわけでもなく、ちょっとサボり気味なだけでした、すみません。12月はなぜかクラシックのことばかり書いていたので、今月初めはジャズで...といいつつポール・スミス・トリオという変化球で行きたいと思います。今回紹介する《サラトガ》(1959)というこのアルバムは、映画の主題歌をテーマにした作品らしい…というのも、ライナーノートの寺島靖国氏が《サラトガ》(1937)という映画について延々と記載しているので間違いないはずです。でも肝心の映画がどんなものなのかわからない…。
1曲目は《Petticoat High》という軽快な曲で、ポール・スミスらしくていいです。変わった音色を奏でるのが《The Parks of Paris》で、ピアノがマンドリンのように奏でられてびっくりします。ちょっとゴッドファーザー愛のテーマのようでもあり、切ない曲調が気になります。これらはみなハロルド・アーレンという作曲家のもので、アーレンというとジュディー・ガーランド主演の《虹の彼方に》の有名な主題歌の作曲家でもあり、とてもよい曲を書いています。
アーレンってどんな映画の曲を書いているのか気になってWikipediaで確認したところ...サラトガって1959年に作られたミュージカルだったんですね!さすがWiki先生。すぐに検索できる良い時代になったと思いましたが、ライナーノート(1998年に書かれています)内容って…うーん、考えないことにします。《サラトガ》って映画もわかったことだし。ちなみにサラトガは(ネイティブ・アメリカン)イロクォイ族の言葉で「急流の場所」を指すそうです。南北戦争ではサラトガの戦いというのがあったようです。余談です。
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