2015年1月24日土曜日

James Rhodes - Bullets & Lullabites

中古CD屋さんの特売コーナーでみつけた1枚。更にまとめ買い半額セールで、新品を250円ほどで購入してます。ジェームス・ローズというピアニストは”ロックスター・ピアニスト”という異名をもつイギリスのピアニストで、幼少時の虐待、自殺未遂、精神病棟への入院歴と妻と離婚…など幾多の困難を乗り越えて現在にいたるようだが、経歴もどんな演奏するかもわからないまま購入してしまいました。日本のWikipediaには彼の解説はなく、CDもこれだけのようです。シャーロックで人気のベネディクト・カンバーバッチとの対話やBSで放送された「心の旋律に耳を澄まして」というドキュメントがGoogle検索で引っかかってくる。
黒縁メガネに無精髭、ぼさぼさに伸びた髪はクラシックのピアニストにしては異質であるが、CDから流れる音楽は至極真っ当で、モシュコフスキー、アルカン、ブルーメンフェルト、ラフマニノフなど技巧派のピアニスト作品を散りばめている。CDはCD1 "Bullets"、CD2 "Lullabies"という2枚組のからなり、それぞれ午前、午後を表している。CD1枚あたり30〜40分程度の収録でLPのような曲数ですが、コンセプトを重視した作り…なのでしょう、きっと。 
"Bullets"は技巧が散りばめられた曲にベートーヴェンのピアノ・ソナタ18番スケルツォやショパンのピアノ・ソナタ第3番プレストなど、ただのピアノ小品集とは異なる選曲になっています。アルカンのグランド・ソナタでも破綻なく弾ききっており、技巧に自身がありそうな感じ(あくまで感じです)。 でも"Lullabies"の優しくゆるやかな演奏のほうが彼には合っているようです。ドビュッシーやラヴェルなどはとても思い入れを感じます。でも一番美しく響くのはショパンのピアノ協奏曲第1番第2楽章《ロマンツァ》ですね。
経歴などからはデヴィッド・ヘルフゴットやイングリッドフジ子ヘミングと同じような括りになりそうですが(毀誉褒貶がはっきり分かれそうという意味です)、純粋に楽譜に書かれた音を音楽を奏でるという「演奏」というよりは音符を通して自己を吐露する「音を紡ぐ」意味でとてもよい演奏と思います。BGMよりも自宅でしっとりと楽しむ音楽ではないでしょうか?生演奏などとても楽しめそうです。来日公演などないのでしょうか?



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