そんな中、久しぶりにベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番を聴いて懐かしい思い出が蘇ったので書こうと思います。この曲は《皇帝》という名前がついており、冒頭が非常に壮麗で男性的な感じがあり《皇帝》らしい演奏が好まれているようなのですが…私がイメージするこの曲は第2楽章なので、むしろ優しく包み込まれるような暖かみのある演奏が好きなのです。壮麗で華美な両端楽章にはさまれた愛らしい第2楽章が好きなのは、「ピクニック at ハンギングロック」(オーストラリア時代のピーター・ウィアー作品!)という映画による影響が大きく、この曲を聴くたびにボッティチェリの天使と形容されたミランダのスローモーションを思い出してしまいます。
そんな刷り込みで聴く《皇帝》は思い入れたっぷりに第2楽章を演奏してくれるものが好きで、このギオマール・ノヴァエスの演奏を始め、カラヤン&ワイセンベルク(ライブ)、マルグリット・ロン、ソロモンなどなどオールドタイマーな選択肢になってしまいます。ギオマール・ノヴァエスはブラジルのピアニストで、少し癖がある(ようなのですが)非常に優しいピアノの音色で美しい旋律を際立たせてくれます。アメリカの廉価盤レーベル(Vox box)の古い録音ですが、とても聴きやすいです。
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