2015年2月9日月曜日

Jorge Bolet - Live Liszt, Franck, Mendelssohn

2月はロマン派と言われる作曲家の音楽を巨匠・名匠の演奏で…という趣旨でアルバムを選んでいます。ホルヘ・ボレットはキューバ出身のピアニストで、フィラデルフィアのカーティス音楽院でゴドフスキー、サパートンに師事、さらにリストの弟子であるローゼンタールからも指導を受けており、リスト直系の孫弟子であることも知られています。これはボレットの死後発売された「未発表ライブ集」でメンデルスゾーン《前奏曲とフーガ》第1曲、フランク《前奏曲。コラールとフーガ》、リスト《ノルマの回想》の3曲です。フランクとリストは演奏時間が20分(メンデルスゾーンでも10分)を要する難曲ばかりです。

ボレットはGHQの一員として日本に滞在したことがあるそうですが、本職のピアノでは1970年代に入るまで無視されていた「忘れられていた天才」だったそうです。私がクラシックを聴き始めた80年代はすでにLONDON(DECCA)レーベルから次々と新譜が発売される人気ピアニストでしたが、そんな彼も長い不遇な時代があったなど全く知りませんでした。

メンデルスゾーン《前奏曲とフーガ》第1曲は遠い昔に聴いた時はつまらないと感じたのですが、この演奏ではバッハを模した厳格な曲を叙情的にスッキリと演奏していてとてもよい曲だと再確認させてくれました。フランクも堅苦しさがないとてもロマンティックな演奏で素敵です。リストはベッリーニのオペラ《ノルマ》の独唱、合唱を主題としたヴィルトゥオーソな曲ですが、ボレットは技巧を感じさせない流礼な演奏です。たまにはこんなロマンティックな曲がBGMなのもいいですね。

これは神保町の古本市で500円で購入しました。


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