2015年7月8日水曜日

いちばん美しいピアノ曲はなに?

梅雨空が続いています。クリニックは混んだり、空いてたり読めない状況です。のんびりいきましょう。いちばん美しいピアノ曲(クラシック)は?と聞かれると答えるのが難しいのですが、全体的な雰囲気がよいのと、ひとつの旋律だけでなく曲全体が美しくまとまっている曲…と考えると、最近のお気に入りはプーランクの《メランコリー》です。

プーランクは20世紀初頭から中期に活躍したフランスの作曲家で、フランス6人組と呼ばれるグループの中で一番有名なひとでもあります。「フランスのモーツァルト」(フレーズだけは「浪速のモーツァルト」キダ・タロー先生に似てますが…)とも言われ、洒脱な曲が多く、ヒッチコック監督の「ロープ」という映画でも3つの常動曲が使用されています。この「ロープ」という映画は1948年当時としては画期的なゲイを示唆する描写が多く、さすがヒッチコックとニヤリとさせられます。

プーランクはちょっとうるさくって不協和音があって聴きづらい曲とすごく甘くてとろけるような曲の落差が激しいのですが、《メランコリー》は6分間を通して同じフレーズを転調しながら漂うように甘美な音色を奏でるのですが、長調なのに全体的には悲しげな曲調になっています。これはプーランクの親戚・友人の死や第2次世界大戦の暗い影を反映しているとも言われますがどうなのでしょうか?

ポール・クロスリー、エリック・ル・サージュ、アレクサンドル・タローいずれも甲乙つけがたい名演ですが、ドビュッシーやラベルではさらりと即物的な印象のピアノを聴かせるポール・クロスリーの思いの外しっとりした演奏が最近のお気に入りです。


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